バーコードの種類を解説

バーコードの種類は約100種類

バーコードの種類を解説
皆さんは日頃、どのような場所でバーコードを目にしますか?スーパーやコンビニなどの店舗や宅配便の荷物ラベル、病院の診察券や会員カードなど、日常生活の様々なシーンでバーコードを目にしていると思います。
しかし、これらのバーコードは1種類だけではなく、世界にはなんと100種類以上のバーコードが存在しているってご存じでしょうか?
バーコードは、黒い線(バー)と白い線(スペース)を組み合わせ、数字やアルファベットをコード化した「一次元バーコード」と、縦と横の格子状に情報を埋め込んだ「二次元コード」の大きく分けて2種類に分類されます。
そして、「一次元バーコード」と「二次元コード」にも様々な種類のコードが存在しますので、本コラムではそれぞれのコードの違いについて解説していきたいと思います。

バーコードとJANコードの違い?

皆さんが日常で一番よく目にするバーコードは、商品に必ず印刷されている「JANコード」だと思います。
多くの皆さんはこのJANコード=バーコードだと認識されていると思いますが、JANコードはあくまで数あるバーコードの種類の1つであり、主に商品を管理するため流通コードとして商品に表示されています。そのため、JANコードが宅配便の伝票や会員カードなどに使用されることは基本的にありません。

一次元バーコードの種類

冒頭で世界では100種類以上のバーコードが存在すると書きましたが、その中でも日本では主に下記の一次元バーコードが使用されています。
・JAN/EAN/UPCコード
・NW-7(CODABAR)
・CODE39
・CODE128
・Interleaved2of5(ITF)
https://www.aimex.co.jp/guide/

JAN/EAN/UPC

JAN(Japan Article Number)コードは、普段私たちが買い物する商品のパッケージに印刷されている一次元バーコードのことです。ヨーロッパではEAN(Europe Article Number)コード、アメリカやカナダではUPC(Universal Product Code)コードと呼ばれ、この3コードは相互に互換性を持って作成された国際的な共通商品コードです。
JANコードは13桁で構成される標準タイプと8桁で構成される短縮タイプの2種類あり、標準タイプは①GS1事業者コード(9桁、10桁または7桁)、②商品アイテムコード(3桁、2桁または5桁)、③チェックデジット(1桁)で構成されています。短縮タイプはGTIN-8ワンオフキーと6桁事業者コード(①GS1事業者コード(6桁)、②商品アイテムコード(1桁)、③チェックデジット(1桁))の2種類があります。
また、共通商品コードの先頭の二桁は国コードとなっており、日本は「49」と「45」が割り当てられています。
なお、GS1事業者コードは事業者単位(法人、団体、個人)での登録が必要であり、一般財団法人流通システム開発センターが一括管理しています。
JANコードの詳細はこちら。
JANコード

NW-7(CODABAR)

NW7(Codarbar)
CODABARはアメリカのモナークマーキング社によって1972年に開発された比較的初期の一次元バーコードで、日本ではNW-7(エヌダブリューセブン)と呼ばれています。比較的単純な構成と高い印刷精度が要求されないことから日本でも古くから使用され、宅配便の配送伝票、図書館の書籍管理、血液検体の管理など、数字の連番印刷が必要なものに広く利用されています。
NW-7の名前の由来は、一つのキャラクタを表すのに、Narrow(細い)とWide(太い)幅の、7本のバーとスペースを用いている事から付けられました。
NW-7は、数字(0~9)と4つのアルファベット(A~D)6つの記号(-$:/.+)を表現できます。
NW-7の特徴として、ITFと比較して桁落ちが少なく、CODE39と比べサイズを小さくできます。
ただし、NW-7もCODE39やCODE128と比べ印字状態が悪い場合は比較的簡単に桁落ちを起こす場合があるため、ある決まった桁数以外読まなくする桁指定をバーコードスキャナ側で設定することを推奨いたします。
また、現在ではより高度な規格の1次元バーコードが広く普及していますので、新たにバーコード化を検討されている場合には、CODE128やCODE39など、比較的新しいバーコード規格の採用をお勧めします。

CODE39

CODE39は、アメリカのインターメック社が1974年に開発したバーコードシンボルで、誤読が少なく信頼性が高いことから、古くから自動車業界や電気業界など、工業製品分野では欠かせないコードとなっており、作業指示書や現品ラベル等に使用されています。CODE39の名前の由来は、シンボルキャラクタが9本のエレメントで構成され、その中の3本が太バーになっていることから付けられました。
CODE39の特徴としては上記の通り誤読が非常に少なく、読取精度も高く、信頼性の高い一次元バーコードです。また、数字とアルファベットを表現できることから、型式や棚番など細かい表現をすることが可能です。
唯一のデメリットとしては、ひとつの文字を表すときに9本のバーとスペースを使うため、バーコードのサイズが大きくなってしまうことです。そのため、限られたスペースで桁数が多いものを表示したい場合にはCODE39は不利となります。
Code39

CODE128

Code128
CODE128は、アメリカのコンピュータ アイデンティクス社が1981年に開発した一次元バーコードです。アスキーコードの128文字(数字、アルファベット大文字/小文字、記号、制御コード)を表現できます。CODE128の名前は、このキャラクタ数に由来しています。CODE128は3種類のスタートコードが用意されており、スタートコードによって表すキャラクタセットが異なっているため、128種類のキャラクタを効率良くコード化できる特徴を持っています。この特徴を生かし、製品の製造ロット、賞味期限、重量、寸法、出荷先など様々な情報をバーコード化したものが、様々な業界で活用されています。
また、CODE128は、高い情報化密度から流通分野ばかりでなく、産業分野でもCODE39に代わって幅広く使用されるようになっています。

Interleaved 2 of 5(ITF)

Interleaved 2 of 5はアメリカのインターメック社が1972年に開発した一次元バーコードです。2 of 5の名称は、シンボルキャラクタが5本のエレメントで構成され、その中の2本が太バーになっていることに由来しています。日本ではITF(Interleaved Two of Fiveの頭文字)コードと呼ばれ、印刷精度がJANコードなどと比べると比較的緩やかであるため、印刷精度を確保しづらい材料(段ボール等)に集合包装用商品コードとして使用されています。集合包装用商品コードとは、企業間の取引単位である集合包装(ケース、ボール、パレットなど)に対し設定される商品識別コードです。 主に受発注や納品、入出荷、仕分け、棚卸管理等において集合包装の商品識別コードとして使われます。
ITF14(Interleived 2 of 5)

二次元コードの種類

一次元バーコードが情報を持つ方向が1方向なのに対して、二次元コードは縦横両方に情報を持っているため、より多くの情報を狭い面積で表現でき、データ容量で換算すると、一次元バーコードの数十倍~数百倍の情報量を持つことができます。二次元コードにはスタック型二次元コードとマトリクス型二次元コードがあり、日本では主に下記の二次元コードが使用されています。
・QR Code
・DataMatrix
・PDF417

QR Code

QRコードは、日本の自動車部品メーカーである株式会社デンソーの開発部門(現 株式会社デンソーウェーブ)が1994年に開発したマトリックス型二次元コードです。
QRは Quick Responseの頭文字語であり、高速読み取りを目的の一つとしている名称です。
オリジナル仕様のモデル1、位置補正機能を高め、大容量データにも対応した機能拡張使用のモデル2および大量のデータを必要とせず印字面積を小さく抑えるためのMicro QRCodeの3種類のモデルがあります。
一次元バーコードに比べて記録データの大容量化や高密度化、読み取りエラーの低減が可能で、省スペースで印字できることなどの点で優れていることから、入出庫・在庫管理・ピッキング・配送管理など、製造や物流の現場で幅広く使われています。また皆様も良くご存じの通り、店頭決済用コードとして世界中で活用されています。
QR Codeの詳細はこちら。
*「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標です。

DataMatrix

DataMatrixは、アメリカのアイディマトリックス社が1987年に開発したマトリックス型の二次元コードで、日本ではデータコード(Data Code)とも呼ばれています。
DataMatrixはL字のアライメントパターンと、その反対側にクロックパターンが配置され、その中にデータセルが入るという構成となっており、形状は正方形または長方形の2種類があります。
非常に高い情報密度であるため小さなスペースへの印字が可能で、低いコントラストでも読み取りが可能という点から主に製造業で使用され、電子部品、基板、医療器材などへのDPM(ダイレクトパーツマーキング)の利用実績も多い二次元コードです。

PDF417

DF417は、アメリカのシンボルテクノロジー社(現 ゼブラ社)が1989年に開発したスタック型の二次元コードです。PDF417の名称の由来は、PDFはPortable Data Fileの頭文字語であり、4バー4スペースの17モジュールのモジュール構成からPDF417と名付けられました。
PDF417は、国際標準物流ラベルISO15394では、EDIデータの標準シンボルに採用されています。また、出荷明細書、品質管理、生産指示、IDカード、免許証等、情報を多く必要とする用途で広く使用されています。

バーコードを使うメリット

バーコードを使うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。
小売店舗ではJANコードを採用したことにより手打ちのレジ会計と比べ、大幅な時間短縮になりました。
また、在庫管理にバーコードを使用することにより、正確かつ迅速な棚卸が可能となり、人為的な入力ミスなどを減らせ、業務の効率化に貢献します。

業務を効率化できる

管理業務にバーコードを導入すると、管理や作業にかかる時間を大幅に削減できる可能性があります。バーコードスキャナの簡単な操作で容易にバーコードを読み取ることが出来るため、作業者のスキルレベルに関わらず、業務の質を維持することが可能になります。また、業務効率化が進み、特定の作業に時間を割いていた人員を別の業務に割り当てることで作業効率の向上にも貢献できます。

ヒューマンエラーを削減できる

バーコード管理は、バーコードをスキャンするだけで速やかに正確な情報が記録できるため、ヒューマンエラーの防止に効果的です。例えば在庫管理。棚卸作業などで在庫一覧表を基に手作業で現品の確認や数量の記入をすると、在庫の数え間違えや記入ミスといったヒューマンエラーが起こりやすくなります。また、取り扱う商品数が増えてくると入荷や検品の作業が複雑になるため、多くの人為的なミスが発生しやすくなります。
バーコードを導入すると、こうした人為的な作業ミスが起こりにくくなります。スキャナやハンディターミナルでバーコードを読み取るだけで、商品情報や在庫数を簡単かつ正確に確認でき、入荷や検品の作業がよりシンプルになりますので、この作業工程の単純化でもヒューマンエラーの減少が見込まれます。


バーコード導入時のハードル(デメリット)

導入すると大変便利なバーコードですが、導入に当たってはいくつか乗り越えなければならないハードルがあります。ここではそのハードルについて考えてみましょう。

導入時に時間とコストがかかる

メリットの多いバーコード利用ですが、導入に係るハードルを考えてみましょう。
まずはバーコードラベルの準備です。既に商品や伝票などにバーコードが印刷されていればそれらを活用できますが、現状バーコードがない場合は自らバーコードを発行し貼り付ける必要があります。
次に、バーコードを活用するには、バーコードスキャナやハンディターミナル等のハードウェアに加え、入力結果を反映させるシステムが必要です。新たにバーコード連携のシステムを導入する場合、システムの初期費用やランニングコストが発生しますので、バーコード導入に係る費用対効果を算定し、実施の可否を判断する必要があります。

マニュアル作成や社員への教育が必要

導入時には運用マニュアルを作成し、作業員に対しシステム導入のメリットを理解させたうえでスムースな業務移行を進める必要があります。そのうえで、バーコードシステムの効果的な運用には、詳細な操作マニュアルの作成が必要となり、全ての関連社員に対して、新しいバーコードシステムの使用方法や業務フローの変更点について、体系的な教育訓練を実施する必要があります。
また、バーコードシステム導入後も継続的なフォローアップトレーニングや、システムのアップデートに伴うマニュアルの改訂、再教育が必要となり、長期的な教育計画が求められる場合があります。

バーコードリーダーの選び方

バーコードシステムの導入に欠かせないのがバーコードを読み取る機器(バーコードスキャナ、ハンディターミナル等)です。ここではバーコードスキャナについてその選定のポイントをお伝えします。
【読み取るバーコードの種類から選ぶ】
バーコードには、大きく分けて2種類のコード体系があります。
様々な商品に必ず印刷されているJANコードを代表とする「1次元バーコード」と、QRコードを代表とする「2次元コード」です。業務で使用するコードの種類によって、どちらのタイプのリーダーか選びましょう。
【読み取り方式から選ぶ】
バーコードの読み取り方式は、現在では下記の通り4種類に分けられます。
読み取るバーコードの種類や形状、サイズや環境によって読み取り方式を選択しましょう。

CCD(タッチ)方式
タッチスキャナ
リニアイメージャ-方式
CCDスキャナ
レーザー方式
レーザスキャナ
イメージャー(カメラ)方式
二次元スキャナ


【接続方式(インターフェース)から選ぶ】
バーコードリーダーのホスト機器への接続方法は、基本的にケーブル(有線)接続かワイヤレス(無線)接続のいずれかになります。バーコードを読み取る場所やホスト機器の種類によって有線か無線か選択しましょう。
(ケーブル接続)
USB(HID)・・・・USBキーボードとして入力
USB(COM) ・・・USB仮想シリアル通信として入力
RS-232C ・・・シリアル通信として入力
PS/2   ・・・DOS/Vキーボードとして入力
(ワイヤレス接続)
Bluetooth(HID)・・・Bluetoothキーボードとして入力
Bluetooth(SPP)・・・Bluetoothシリアル通信として入力
バーコードスキャナ選定の詳細はこちら。

バーコードリーダーの導入事例

日本出版販売株式会社の図書館選書センターでは、選書業務の効率化を図るため、アイメックスのテンキー付きデータコレクター「BW-220CB」を導入しました。従来の紙短冊方式では、書籍のバーコードを一冊ずつ手動で処理していましたが、このシステムにより選書作業がデジタル化され、リアルタイムで予算管理が可能になりました。これにより、作業時間の短縮やミスの軽減が実現され、全体的な業務効率が向上しました。
また、短冊の印刷補充がなくなり、受付から選書リストのプリントアウトまでの時間が激減しました。
これによって空いた時間をお客様のサポートに当てたことにより、利用者へのサービス向上にもつながっています。

まとめ

皆さんバーコードについていかがでしたでしょうか?
一口にバーコードと言っても様々なコード種別や読取装置があり、使用する場所や業務によって様々な選択肢があることがお分かりいただけたかと思います。皆さんの日々の業務の中で、これはバーコード化したほうが業務の効率が上がるのではないか?入力ミスが減って無駄がなくなるのではないか?といった疑問や要望が出ましたら、我々バーコードのプロフェッショナルにご相談いただけましたら、バーコードの「バ」の字から、丁寧にご案内させて頂きますので、遠慮なくお問い合わせください。本コラムでは引き続き皆様のお役に立つ情報を発信していきます。

投稿者プロフィール

厳田真司
厳田真司
業界27年のベテラン営業マン兼ライター。
積極的に海外からも良い製品を探してくるが基本的にはモノづくり大好き人間。
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